彼女との出会いと別れ

まだ中学生だったころ、私は図書館に入り浸っていました。

昼休みに本を二冊借りては下校前に返し、次の日の昼にまた返す、という読書ルーチンでした。暫くすると、同様の事をしている女の後輩がいることが分かってきました。たまたま手に持っていた本が彼女のお気に入りであったようで、最初は暫くその本について語り合っていたことを覚えています。

推理ものであったのに彼女が犯人まで伝えてきたのには辟易しましたが、悪い子ではないとも思っていました。折しも我が学校は進学校、皆遠くから通うため携帯電話(まだスマホはありませんでした)の所持は許可されていました。どちらからともなく連絡先を交換した私たちは、ちょくちょくとメールで、或いは図書館で語り合いました。そしてある時、メールで告白されたのです。当時の私は何の問題もなくその告白を承諾し、二人は無事に付き合うこととなりました。

しかし不思議なことに、私と彼女が親密になればなるほど疲れている自分がいたのです。後年になって社会不安障害を患っていたと分かりましたが、当時の自分には訳が分かりませんでした。彼女にもそう言った状態が分かっていたのでしょう、どちらともなく別れを切り出し私たちはそのまま別れました。今となっては甘酸っぱい思い出ですが、当時の私は悪いことをしたと思い続けていました。それ故私は図書館にも通わなくなり、ただの受験生になりました。彼女はその後も図書館に通っていたようですが、詳しいその後は最早私の知るところではありませんでした。今となっては彼女が幸せであることをただ祈るばかりです。